こんにちは、永山です。リフォーム業歴は12年で、これまで800件以上の現場を経験してきました。

これからお話するのは「リフォームで失敗するパターン」についてです。今回この話をしようと思ったキッカケは、父親からこんなLINE(ライン)が届いたからです。



一言でいうと「風呂場で水漏れしてるから直してくれ!」というメッセージ。たしか、地元の工務店でお風呂を交換したのは18年前。「ゴムパッキンからの水漏れかな?」と思い、すぐに父親に電話すると・・、

父親「明日来れるか?

僕「えっ!明日!?

という横暴な要求にも関わらず、次の日の朝、道路が車で渋滞してる中、片道68キロを2時間掛けて運転。麦茶を一杯だけ飲んで、早速修理にとりかかりました。

水漏れ箇所を確認して「多分パッキンが経年劣化して、水漏れしてるんだろうなぁ」と、漏れていた水道の配管を外すと・・、

永山
永山
えっ、パッキン入ってないやん

と「あるはずのパッキンがない」ので水が漏れるのは当然、という状況でした。(お風呂を交換したのは18年前。微量とはいえ、いつから漏れてたんだ)

職人とはいえ、人間が作業するのでケアレスミスは完全には防げない。ですが、家の中を見まわすと他にも気になる箇所がありました。



和式便器を洋式に。タイル補修をお任せしたら、なぜか色が違うタイルに。




窓まわりに窓枠がない、結露すると壁紙が劣化していく。せめて下枠ぐらい欲しい。


客観的にみると「正直いって微妙」というリフォームでした。(まぁ父親の説明不足もあるのでしょうが)

僕の実家は大失敗とまで言わないケースですが、10年以上この業界にいると色んな「リフォームの失敗事例」を耳にします。

失敗事例の情報元は、

  • 僕のお客さん
  • お客さんの友達・知り合い
  • リフォーム業者の知人
  • 職人、メーカーの担当者
  • 不動産屋の友達

など実際、表にはでてきてない情報です。中には「裁判沙汰になり、3年前に工事したけどまだ終わってない」というケースもありました。

しかし僕たちが普段みてるインターネットやテレビ、雑誌だと、「リフォームで家が綺麗になりました!」というオシャレな写真や施工事例ばかりです。

その反面『リフォームの失敗パターンを分析した』というのはなかったので、僕が今この記事を書いています。失敗パターンをあなたに共有することで「リフォームで失敗するリスクは回避できるかな」と思っています。




リフォームで失敗する人の共通点

では早速本題に入ると、リフォームで失敗する人にはある共通点がありました。それは、

『リフォーム業者の選び方が間違っていたのでなく、リフォーム業者を選ぶ基準を明確にしていなかった。』

ということです。少しややこしいので、順番に説明していきます。

まず大前提として「質の低い業者に依頼するとリフォームは失敗」します。実際リフォームで失敗した人に話を聞くと、お客さんの口から「業者への文句」が延々と止まりません。折角いれてくれた熱いコーヒーを飲む暇もなく、話が終わったときは猫舌の僕でも3秒で一気飲みができます。

インターネットで調べても、質が低い業者とのトラブルが多数みられます。リフォーム相談ができる「住まいるダイヤル」には、2019年の電話相談が11,948件あったそうです。


引用:住宅リフォーム・紛争処理支援センター

もちろん、リフォームは高額であれば1千万を超える買い物なので失敗は許されません。なので実際、リフォームで失敗したお客さんも慎重に業者は選んでいました。

リフォーム業者の選び方として「複数の業者に見積もりする」というのが常識。どのお客さんも3社以上は相見積もりをし、見積もり書を机の上に並べて比較し、会社の情報もホームページや資料を読んで入念に調べていました。

お客さんは複数のリフォーム会社を比較して、真剣に業者を選んでいた。それでも・・、リフォームで失敗していたのです。

ではなぜ、リフォームで失敗していたのか?

リフォームで失敗した理由・・、それは『リフォーム会社を選ぶ基準が曖昧だったから』です。

基準が曖昧だから「業者の良い悪いの区別」が正しくできてなかった。逆にリフォームで成功していた人は、業者を選ぶ基準が明確になっていました。

基準が曖昧だから、安い見積もり書や値引きで金額に流されてしまったり、施工事例がオシャレといった雰囲気で業者を決めてしまいます。(上の例は極端ですけどね、イメージはこんな感じ)

僕はリフォーム業界に長くいるので「今月末までに契約したら値引きします」とか、「決算なんで今なら金額頑張れますよ!」とかの営業トークが日常茶飯事なのは誰よりも知ってます。

とはいえ、僕自身も業者の立場でありながら「相見積もりすればリフォームで失敗しないよ」と思ってました。「比較したら変な業者との区別がわかるでしょ」という認識。

でも、良い悪いの基準がなければ「口が上手い業者」に流されて間違って契約してしまうのです。具体的には「わかりやすい見積もり金額」に目がいってしまう。確かに「高い業者を選ばずに済む」という点ではそれでも良いかもしれません。

でも安ければ良い、という訳ではないですよね。なぜなら良い業者というのは「人の価値観」によって違うからです。

例えば、普段買う洋服の話だとイメージしやすいです。「ユニクロとグッチだと、どちらが良い服ですか?」と聞かれても、良い服の定義によって答えが違いますよね。

普段の私服やスーパーの買い物であればユニクロ。週末のデート、10年ぶりの同窓会で着るのならグッチを選ぶかもしません。

リフォームも同じで、安ければ良いという人もいれば、多少高くてもデザイン力が重要という人。大手のブランド力や工事の保証内容に安心を感じる人もいます。

このように『良い業者の基準』を明確にしないと、あなたにとっての良い業者がわからず、相見積もりをしても業者選びは上手くいきません。

ではどうすれば良いか?

良い業者の基準をつくらないといけない。では、どうすれば良いのか?それは、

自己認識力を高めること

自己認識力とは何かというと、

自己理解を深めることであったり、自分の価値観を明確にすること。ようは『自分にとって重要なこと、不要なもの』を理解することですね。

自分が大切にしてることがわからないと、業者を選ぶ基準ができない。だから「自分にとって良い業者がわからず、どんな業者を選べば良いかわからない」という状態になります。

例えば、普段作る料理でいうと「メニューが決まってないのに、食材を買いにスーパーに行く」みたいなもの。具体的に作るメニュー、カレーを作ることが決まっていて、冷蔵庫に足りない食材がわかるから「たまねぎと人参、じゃがいもを1個づつ買おう」という行動ができます。

とはいえ、今どんな料理を食べたいか?といった例と違い、「どんな家に住み、どんな生活がしたいか?」といった大きなテーマだと、自分が何を求めてるのか、意外と答えがでないケースが多いです。ではなぜ、自分のことなのに価値観を明確にできないのか。

その背景には「情報量の増加」にあります。
現代人が1日に触れる情報量は、江戸時代の1年分に相当する。平安時代であれば一生分の情報量とも言われています。

今はスマホや携帯電話があるので、隙間時間があれば簡単に情報を集めれます。ヤフーやグーグル、youtubeやfacebookなどのSNSと情報元は数えきれないほど。普段から情報を浴びてるので、何が重要かわからず頭が混乱しやすくなっています。

情報の中には「企業の宣伝」も含まれてるので、たいして必要ないものでも「欲しいかも」と錯覚してるケースだってあります。

テレフォンショッピングなど明らかな宣伝ならまだしも、グルメ番組で「焼肉やラーメン」をみてお腹が減ってきた経験は誰もがあるはず。家に関係することだと「雑誌でみたオシャレな部屋や便利な高級家電」も印象操作の一つかもしれません。

なので無意識のうちに「不要なものを、大事なことだと勘違いしてるかもしれない」と考えることが重要です。リフォーム業者に相談する前に、あらためて自分の価値観を明確にしておいてください。ここからは具体的に「価値観を明確にする手順」をお話しします。

価値観を明確にする、具体的なアクションステップ

1.自分の頭の中をノートに書きだす

まずは頭の中で思ってることを、どんどんノートに書いていきます。なぜノートに書くのかというと「頭の中だけで考えると、脳の処理に負担がかかる」からです。

人間は複数のことを同時にする、いわゆる「マルチタスク」は苦手な生き物です。頭の中で考えるということは、「思い出す」と「整理する」を同時にしてるようなもの。

なので最初はバラバラの単語だけでも良いので、頭の中を一旦全部吐き出してください。そのあと大切なものを整理するという順番だと、一つづつ処理する「シングルタスク」になります。シングルタスクだと脳への負担が少ないので、脳の仕組み的にもスムーズです。

ノートの書き方は、自分しか見ないので「好きなように書いて大丈夫」です。僕は殴り書きスタイルで、文字以外にも簡単なイラストを書いたりしますね。

自分でも解読できない暗号に近いので、実質読み返すのは難しいですが・・、目的は「価値観を知ること」なので、綺麗に書く必要はありません。

2.外の情報に触れながら整理する

内側だけでなく外側の視点でも考えれると、自分の価値観がより明確になっていきます。例えば、

  • 部屋を見れば頭の中がわかる
  • 本棚を見ればその人がわかる
  • 周囲の人間の平均が自分になる

といった格言があります。

これらの言葉を代弁すると「自分を知るには、周りの人や物をみればわかる」ということ。なので、あなたの身近にいる人や物を観察してみてください。身近にいる人、大切な物であるほど、あなたの価値観が反映されています。

例えば「類は友を呼ぶ」といいますが仲良くしてる友達は、似た価値観があったりします。小人数で集まるのが好きとか、好みの服装が一緒とか。逆に、友達の苦手な部分が見つかる場合「時間を守らないのが嫌」とかなら、あなたは「時間通りに行動したいタイプ」なのかもしれません。他にも、普段の「なんでもない会話」の中でも自分の価値観に気づく瞬間があったりしますよね。

僕の場合だと本を読むのが好きなので「本棚を観察する」と意外な発見があったりします。実際、無意識で似たような「習慣化」の本ばかりを買ってましたね。

基本的に僕は新しいことをするより、同じことの繰り返しが好きなタイプ。なので習慣として毎日使うモノや場所は、汚れてるのが結構嫌だったりします。家だと妻が料理をするキッチンや、毎日使うトイレ、お風呂といった水まわりは普段から無意識で掃除していますね。

なのでリフォームするなら、デザインはシンプルにして、掃除しやすい機能性を重視します。キッチンだと「傷がつきにくい表面加工されたステンレス天板にする」とか。こんな感じで自分の価値観がわかれば、「逆算して商品や工事内容を決める」ことができます。

永山
永山
本棚以外にもクローゼットの中を観察すると新しい発見があったりしますよ。似たような白いシャツばかりある、とかですね。

3.基準を明確にしたら業者と相談する

自分の価値観がある程度決まれば、ここで初めてリフォーム業者に相談します。この段階だと基準が明確なので、値引きなどの営業トークをされても流されずにすみます。

業者に相談して確認するのは、

リフォームの提案内容が価値観と一致しているか?

です。担当者に価値観を伝えたら、あとはプロの視点でリフォームの提案をしてくれます。間取り、プラン、商品、金額を提示してくれるので、あとは価値観に合ってるかを確認するだけ。

「100%理想の提案」というのは現実的に難しいので、最低3社以上には相談して、消去法で業者を選ぶイメージですね。そして相談する業者はできるだけジャンル分散するようにしてください。

例えば、大企業、中小企業、地元の工務店に分けて相談する。他にもフットワークが良い会社、デザインに強い会社とかに分散させます。

会社のスタンスで提案内容が大きく変わるので、相見積もりするだけで自然とリフォーム業界の全体像を把握でき、より視野の広い選択をすることができます。

ここで注意したいのは、会社の情報だけで選ばず「担当者の質」も重視すること。リフォームでは担当者によって知識や提案力に差があるし、現場管理のスキルも個々で違います。なので、担当者の質でリフォームは成功か失敗が決まる、といっても言い過ぎではありません。

元々落ちこぼれ営業マンだった僕だからこそ、担当者にピンキリあるのは誰よりも知ってます。なので、僕自身の経験から「どんな担当者に依頼すれば良いか」をお話します。

リフォーム業歴12年で学んだ「失敗しない業者選びのコツ」

まとめ

最後にまとめると、リフォームで失敗する人は、

業者比較をしなかったのではなく、業者を選ぶ基準(自分の軸)がなかった

ということ。逆にいうと、業者を選ぶ基準さえあれば、あとは相性の合う会社を選ぶだけ。そのため、良かれと思って、

自力でリフォーム会社のチラシや雑誌、インターネットを調べるわけですが、全国7万以上あるリフォーム業者の中、まともな会社を探すだけでも時間がかかります。(中には、「アル中ですか?」と言わんばかりの低次元の業者も存在します)

その結果、意図せず安い広告に釣られ、業者選びに失敗する人も少なくありません。なのでお薦めなのが、リフォーム会社紹介サイトを使うこと。

第三者機関の審査をしてるので最低限、低レベルの業者は排除できています。その中で複数の業者を紹介してもらえば、業者を探す手間はかなり削減できます。

さらに業者を競わせる仕組みになってるので「リフォームの金額も自然と安くなる」というメリットもあります。とはいえ、どの紹介サイトでも良いわけではありません。質の低いサイトだと「会社の審査が全くない」ので、逆に使わないほうが良いです。なので、全部で80以上あるサイトの中から3社に厳選してみました。

ちなみに「リフォームの相見積もりは最低3社」といわれますが、より重要なのは、会社の数ではなく質です。

【3社に厳選】プロおすすめのリフォーム会社紹介サイト一覧