まず簡単に僕の経歴をお話すると、リフォーム業歴は12年、担当した工事件数は800件以上になります。
工事した物件は、一戸建てとマンションが半々ぐらい。色んな現場を経験しましたが、間取り変更があるリノベーションが一番得意です。
プランを考えてると時間が過ぎるのは一瞬。気づいたら日が暮れてます。
工事中の写真。考えたプランを形にしていくのは、何にも代えがたい喜びを感じますね。
キャリア30年の大ベテラン、とまでは言いませんが、離職率の高いリフォーム業では、それなりの経験値を積んできました。(正確な数値ではないですが、僕の感覚では3年以内に半分以上が辞めている)
とはいえ、順調にキャリアを重ねてきた訳ではなく・・、実をいうと、リフォーム会社に入社して3ヵ月でクビ宣告を受けています。
- 事務所で留守番しても、電話対応ができず怒られる。
- 方向音痴なので、約束の時間までにお客さんの家に辿り着けない。
- ホウレンソウ(報告、連絡、相談)は皆無で、いつも上司の怒声を浴びせられる。
という典型的な仕事ができない新入社員であったのは言うまでもなく・・、
クビ宣告を受けたのは「会社に多大なる金銭的損失を与えた」というのが原因でした。
今ではリフォーム業を経営するまでになりましたが、お世辞にも自分は優秀だったから起業できた、なんて口が裂けても言えません。あえて言うなら「リフォーム業界特有の問題」に気づいたから、というのが理由です。
このページは、リフォーム業界特有の問題をあなたにシェアすることで、あなたに合ったリフォーム会社を見つける手助けになるのでは、という想いで書いています。
もし、あなたが、
- リフォーム会社を探してるが、どの会社を選べば良いかわからない
- 見積もりをしたが、提出された見積書やプランニングが雑で適当
- 間取りを考えてもらったけど、もっと良いプランがあるかもしれない
- 担当者との会話が微妙、ちゃんとリフォームしてくれるか心配
- 下見してもらったが、大金なので契約して良いか不安
という悩みや違和感を感じている人は、このまま読み進めてください。あなたの抱えてる不安を少しでも解消するお役に立てるかもしれません。
典型的なダメ人間が変わった、ある事件
今ではリフォームの専門家として活動してますが、当然はじめからリフォームに詳しかった訳ではありません。
むしろ最初は誰よりも仕事ができず、周りの足をひっぱるお荷物な存在でした。書類の提出を忘れたり、商品の発注ミスをしたりと怒られない日はなかったと思います。
そんな自分が変われたのは
と、自覚せざるをえない、ある出来事がキッカケ。
それは新品のキッチンに軽トラックを正面衝突させる、という事故です。「えっ?どんな状況???」と思われると思うので、当時のことを少しお話します。
その日は、早朝から新品のキッチンを倉庫から工事現場に運ぶ予定でした。キッチンを倉庫の前に仮置きし、軽トラックを前に停車させようとした瞬間、ブレーキとアクセルを踏み間違え、そのまま新品のキッチンに正面衝突。バンっ!!という衝撃音と同時に、ハンドル部分のエアバックが膨らみました。
「あ、終わった」
事故の瞬間は時間がスローモーションになる、と聞いたことありましたが正にその通り。「ブレーキを踏まないと」と頭では理解してるのに身体が動かない、という感覚。そしてキッチンと軽トラックが壊れたにも関わらず、自分は幸か不幸か無傷のままでした。
その後、大きな音に驚いた上司が事務所から駆け付け、精神が崩壊した僕の代わりに警察への電話といった事故処理をしてくれました。
事故処理を代わりにしてくれる上司の後ろで、涙をながしてる22才の男・・・、ってどうですかね?相当やばいですよね。
さすがに、この状況までになると逆に冷静になれるもので、「確実にクビだな」というのは確信できました。事実、すぐに幹部会議が開かれ「エイトを辞めさせる」という話は耳に入ってきました。
ですが1週間ほど経っても、社長室への呼び出しがありません。これも噂で聞いた話ですが、事故処理をしてくれた直属の上司が、「エイトを1人前に育てるから辞めさせないでくれ」と直談判してくれたらしいです。
上司と特別仲が良かったわけではないので、完全に耳を疑いました。そして込み上げてきたのは、上司への感謝・・・、それ以上に
「恥ずかしい」という感情でした。仕事ができない自分、怖い上司という表面しか見てない自分、人様に迷惑かけてる自分。
今回の事故は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」という単純なミスでしたが、日頃から仕事の失敗が多いことから「自分には何か欠落してる」というのは明白でした。(今考えると、学生気分が抜けず社会人になるという自覚がなかったのでしょう)
本気で自分を変えないといけない、その日から自分の生活は変わりました。まずは「リフォームに詳しくないといけない」と全ての時間を仕事に投資。
当然休みなんて返上で、ほぼ毎日作業服を着て工事現場に直行、当時の愛読書であった少年ジャンプはTOTOの商品カタログに変わりました。
遊んだ記憶なんて1mmもなく、プライベートで使ってた携帯電話は完全に放置。連絡がとれない息子を心配して、母親から会社に生存確認の電話もありました。
その甲斐あってか、1年経つ頃には周りの環境は大きく変わっていました。上司からは少しずつ信頼を取り戻し、足手まといでしかなかった自分が、いつしかチーム(会社)の一員として認めらるようになりました。
お客さんからも「エイトさんに会えてよかったよ、本当にありがとう」と言われたり、「エイトさんなら信頼できるから」と新しいお客さんを紹介されることもありました。寝る間を惜しんでリフォームの知識を身につけて良かった、と心底思いましたね。
リフォームの知識も右肩上がりに増え、国家資格の施工管理技士や宅建、インテリアコーディネーターなども取得。
それからは、新入社員のときの仕事ができない負のループから完全に脱却し、毎朝仕事に行くのは大変だけどやりがいがある、という充実した時間が増えました。
「このままリフォームの知識を増やせばお客さんは喜んでくれる」と、この時の僕は楽観的に考える余裕すらありましたね。ですが・・・、新しい問題はすぐにやってきました。
あるトップセールスマンからの厳しい一言
調子が良かったのもつかの間、しだいにお客さんからの注文や紹介が減ってきたのです。このときは「リフォームの知識が足りないからだな、もっと頑張るか!」と前向きに考え、いつも以上に猛勉強をしました。
ですがリフォームの知識が増えてるのに、なぜかお客さんに提案が響きません。特に、間取り変更があるようなリノベーションほど上手くいきませんでした。
そんなモヤモヤした気持ちを抱いてるとき、偶然にも会社の先輩に同行する機会がありました。その先輩は会社のトップセールスマンで、お客さんからの評判も良好。
知識も豊富な先輩なので「すごい間取りを提案するんだろうな」と思っていました。ワクワクした気持ちを感じながら、お客さんの家へ先輩と訪問。
ですが、そんな期待は大きく裏切られました。先輩は間取りの提案をせずに、お客さんの話をずっと聞いていたのです。
「なぜキッチンを広げたいんですか?」
「(キッチンを指さし)キッチン自体狭いし、収納量も少ないんですよ」
「なるほどー、収納を増やしたいんですね。であればキッチン自体の収納量を増やせれたらいいですよね。デッドスペースを活用しながら」
「そぉか、収納量が多いキッチンにすれば良いか。リビングも狭くしたくないしね。」
「リビングが狭くなるのは嫌ですよね。ちなみにリビングは来客用としても使ってますか?」
と、お客さんの言いたいことを代弁しながら質問し続けています。
「ずっとお客さんの話を聞いてるけど、いつ終わるんだろう?」と思いながら、2時間以上経過しました。
すると、いつのまにか白紙だったノートには新しい間取りが完成されています。お客さんからも「そうそう!イメージしてたのこんな間取り!!」という言葉。(最終的にリフォームを依頼して頂き、工事も無事完成して喜んで頂きました)
帰りの車内で、「あんまり積極的に提案しないんですね、なんか意図があるんですか?」と僕は先輩に聞きました。
すると、
「お客さんの悩みを言語化して、間取りにイメージするだけだから。リフォームの知識をダラダラ語っても誰も興味ないやろ」
と強いトーンで返ってきました。おそらく、僕の抱えてる問題に気づいてたのでしょう。
以前の僕は「お客さんの話を聞く」というのを軽視していました。これはリフォームでなく、病院を例にするとイメージしやすいです。
例えると、患者さんが「お腹が痛いんですけど」と言っただけで、「わかりました~、整腸剤を出しときますね!!」という医者みたいなもの。いやいや、もっと話聞けよ。というかお腹の音も聞けよ、と思いますよね。
極端な例ですが、僕はこのダメ医者と同じことをしていました。表面的に悩みを聞いて、それとなく間取りを提案してただけ。「今日も最高の間取りを提案したわぁ」と自分の知識に酔ってたわけです。
リフォームの知識は、悩みを解決する手段でしかない。まずは、
本当の意味で理解しないと始まらない
という当たり前のことに気づいたのです。
その結果、お客さんの悩みから逆算した間取りを作れるようになりました。現在では、間取り変更やリノベーションが得意、と胸を張っていえるようになり、それと同時に「リフォームで成功するかどうかは担当者で決まる」という確信に至りました。
実際、昔の僕のように建築に詳しいだけで、お客さんの話を聞かない「ダメな担当者」は山ほどいます。なので担当者選びには注意してください。
リフォームで失敗するのは「ダメな担当者」が原因
リフォームの成功と失敗は「担当者の質」で決まります。そして僕が考える最高の担当者とは『価値観を言語化』ができる人です。
会話の中でお客さん自身が大切なモノに気づき、隠れていた潜在的な問題を見つける。その問題を解決することで、お客さんの人生の質が向上します。毎日暮らす家だからこそ、リフォームには人生を変えるだけの価値があります。
まさに僕にリフォームを教えてくれた先輩は、最高の担当者といえる人でした。そして僕自身もお客さんの潜在的な悩みに意識を向けるようにしています。
ですが基本的に担当者は心理カウンセラーでなく、建築に詳しいリフォーム業者。最高の担当者は全体の20%以下なのが現実です。
なので最低でも、リフォームで成功するためには「お客さんの悩みを理解・解決してくれる担当者」に依頼しないといけません。逆に、リフォームで失敗するダメな担当者には、こんな共通点があります。
- お客さんの悩みを理解できない人
- お客さんの悩みを解決する能力が低い人
基本的には、このどちらか(もしくは両方)に当てはまります。
① お客さんの悩みを理解できない人
お客さんの悩みを理解できる人は、意外と少数です。理解できてると本人が思ってるだけ・・、というケースは多いですけどね。
具体的には、
- 話はあまり聞いてくれず、ずっとウンチクを語っている
- 話を聞いてくれてるけど、イマイチ理解してる感じがしない
- 「わかりました!」といったのに全く間取りや見積もりに反映されてない
という場合は、注意したほうが良いですね。
担当者が悩みを理解してくれてるかは、表面上ではわかりにくいです。最悪のケースだと「契約した後、リフォーム工事中の打ち合わせ」で悩みを理解されてない・・、と気づくこともあります。
② お客さんの悩みを解決する能力が低い人
悩みを理解してくれても、問題を解決できなければ意味がありません。特に、若い担当者だとリフォームの経験値が少ないことも多いです。経験値が少ないと、リフォームの提案に不満を感じる、ということもあるでしょう。
ですが若いからダメ、という訳ではありません。重要なのは「担当者をバックアップする体制があるか」です。
多くのリフォーム会社は、リノベーションなど規模の大きい工事ではチームを形成します。
- 担当者
- 設計士
- デザイナー
- 現場監督
チーム構成はリフォーム会社によって違いますが、専門家が協力することで知識の偏りが減り、リフォームの提案力も向上します。なので担当者が若くても、チームの体制が信頼できるのであれば大丈夫です。(もちろん、担当者自身が頼りにならなければダメですけどね)
解決策は「相見積もり」、気をつけるべき注意点
リフォームは担当者によって成功か、失敗が決まる。では、どうすれば良い担当者(あなたの悩みを理解・解決してくれる人)に出会えるか?
結論としては「複数のリフォーム会社に相談する」というアクションが必要です。数社見積もりした上で良い担当者を消去法で選ぶ、という流れです。
ですが何の考えもなく相談しても、どんどん迷いが増え、目的を見失うだけ。その結果「安い見積書」に釣られて、ダメな担当者と契約する人が多いです。
そうならないよう、注意すべき点が3つあります。それは、
- 会社の評判より、担当者の質にフォーカスする
- 1社だけでは良い担当者に出会えない
- 見積もり依頼する会社はジャンルを分散させる
この3点を理解しておく必要があります。
① 会社の評判より、担当者の質にフォーカスする
リフォーム会社を選ぶのに、会社の評判や口コミは判断材料の一つとして役立ちます。ですが、同じリフォーム会社でも担当者が違えば、サービスの質は変わります。
例えば、同じコンビニでもレジで接客する人によって印象が違いますよね。テキパキと笑顔で接客する人もいれば、挨拶もなくダラダラした人もいます。さらには、どんな接客に好感を持てるかは、人によっても違います。
- レジのスピードが早ければ良い
- 笑顔で挨拶してくれたら良い
- 身だしなみが綺麗であれば良い
当然、人の数だけ価値観があるので評判や口コミも変わってきます。
リフォーム会社の場合も口コミが良いから安心、と思い込むのは危険です。重要なのは「対応してくれた担当者があなたにとって良いかどうか」。インターネットのお陰で色んな情報が手に入りますが、一番信頼できるのはあなたが実際に体験して感じた情報です。なので変な先入観に左右されず、担当者の対応にフォーカスするようにしましょう。
② 1社だけでは良い担当者に出会えない
良い担当者に出会えれば、見積もりする会社は1社だけでもオッケー。と考える人もいますが、それは間違いです。なぜなら、1社のみでは良い担当者かどうか正確に判断できないからです。
1件目の担当者が良いと思っても、2件目にもっと良い担当者が現れるかもしれません。基準があると客観的な評価がしやすいので、冷静な判断ができます。
(心理学では、コントラスト効果といったりもします)
さらには複数の担当者と話すことで、あなたの価値観も浮き彫りになってきます。
- 話を親身に聞いてくれる担当者が良いのか
- デザインを重視した提案が欲しいのか
- 工事内容を具体的に解説してくれる人が良いのか
あなたの価値観を言語化できたら、優先順位を並びかえてみてください。あなた自身への理解が深まれば、どんな担当者が良いかも自然と明確になります。
ちなみに相見積もりは病院でいうセカンドオピニオンの役割もかねてるので、規模の大きい工事であればあるほど、欠かすことはできません。
※セカンドオピニオン:今かかってる医者(主治医)以外の医師に求める第2の意見。リフォームも担当者によって提案が違うので、色んな意見を聞くのが大切です。
③ 見積もり依頼する会社はジャンルを分散させる
複数の会社に相談するのは、結構な時間がかかります。なので効率的に情報収集するためにも、似たような会社に依頼せず、できるだけジャンルを分散させるのがお薦めです。
- 全国展開してる大手リフォーム会社
- 中小規模のリフォーム会社
- 地元の工務店
ジャンルを分散させることで、担当者の違いがより明確になります。担当者の好みがわかってきたら、よりフォーカスして複数の業者に見積もり依頼します。時間はかかりますが、金額のかかるリフォーム工事であれば当然のこと。今すぐ工事しないと困る、という人でなけばリフォーム会社は慎重に選んでください。
では次に、どうやって相性の良いリフォーム会社を探すか。多くの人は良かれと思って、
自力で業者のチラシを集めたり、ネットで会社の評判を調べたりしますが・・。その結果、意図せず安い広告に釣られ、業者選びに失敗する人も少なくありません。
なので、僕のおすすめは「リフォーム会社紹介サイト」を使うことです。紹介サイトを使うと、無料でリフォーム会社の情報を簡単に集めれます。
それ以外にも、
- 業者が競い合う仕組みなので、自然と金額が安くなる
- インターネットで慎重に会社比較ができるので、微妙な業者は事前に断れる
- 最短5分で質の良い業者が紹介されるので、調べる時間の無駄を減らせる
- 業者は紹介サイトの評価を気にするので、対応が丁寧・工事の品質が高い(レスポンスも早い)
- 紹介サイト独自の特典をもらえる(無料の工事完成保証、電子書籍プレゼント)
- 匿名・住所不要で申し込みできる紹介サイトだと、しつこい営業電話をさけれる
といったメリットがあります。
網戸張り替えといった簡単な修理なら、紹介サイトを使わなくても良いですけどね。数十万円とお金がかかる工事であれば、利用しない手はありません。
リフォームで相見積もりは必須ですが、そもそも低レベルの業者に相談してたら相見積もりの意味がないです。なので「第三者機関の審査」が済んでいる、質の高いリフォーム会社に相談してください。
とはいえ、どの紹介サイトでも良いわけではありません。質の低いサイトだと「会社の審査が全くない」ので逆に使わないほうが良いです。なので、全部で80以上ある紹介サイトを厳選してみました。あなたのリフォーム会社選びの参考になれば嬉しいです。
【2024年最新】プロがおすすめするリフォーム一括見積もりサイト
自分の居場所を見つけろ
「自分の居場所を見つけろ」と新入社員のとき、上司から口酸っぱく言われ続けました。当時の僕は、あまり深く言葉の意味を考えてませんでしたが、今ではこう解釈しています。
「周りの役に立てるような人になれ」
人の迷惑しか掛けてなかった自分が、多少なりとも誰かの役に立てるようになったのは、リフォームのお陰です。指導してくれた上司や先輩、沢山のお客さんとの出会いがあったから。
あらためて、人はひとりでは生きていけない、と身に染みて感じます。
これからは、誰もがインターネットにアクセスできる時代。培ったリフォームの知識や経験を、少しでも遠く、少しでも多くの人に役立てればという思いで、この文章を書いています。
もし、あなたの悩みを少しでも解消できたなら、これ以上に嬉しいことはありません。
エイト