僕はこれまでリフォーム業歴12年で、800件以上の現場を経験してきました。以前勤めてた会社では全面リフォームが得意ということもあり、住友不動産と競合することも多かったです。その経緯で知り合いに住友不動産の営業マンもいるので、新築そっくりさんの金額についてお話ししていこうと思います。
まず、この記事を読んでるということは、
「新築そっくりさんはマンションだと費用が高いのか?」
といった疑問があると思います。
というのも新築そっくりさんの最大の強みは、一戸建ての地震対策。マンション住まいの人には関係なので「もしかして、割高になるのかな?」という疑問が湧くのは当然です。
ですが実際のリフォーム費用は「ケースバイケース」としかいえない訳です。一戸建てだろうがマンションであろうが、実際に営業マンが家を見て、話しを聞いて、見積もりをしないとわからない。でもお客さんの立場からすると「先に金額を知りたい」と考えるのは当然。
なので、ここでは新築そっくりさんでマンションリフォームした場合の費用相場を解説していきます。その結果、新築そっくりさんで希望の工事ができるのか、ある程度イメージできるかなと思います。
マンションリフォームの費用を理解するために、2つ理解しなければいけないことがあります。それは「住宅リフォーム見積もりの前提知識」と「マンションリフォームならではの注意点」。大事な部分なので、この2点だけでも必ず読んでください
住宅リフォーム見積もりの前提
まず「リフォームは実際に見積もりしないと金額がわからない」という前提があります。これは何を意味するかというと「家の状況」によって金額が大きく左右されることを意味します。
- マンションの構造(RC造、壁式構造など)
- マンションの広さ(20坪、30坪、40坪など)
- お客さんの要望(水周り、内装、全面)(商品のグレードなど)
とマンション一つでも条件が違いすぎるので、費用がいくらか断言するのは正直いって難しい。新築そっくりさんだとしても「仕様で金額が大きく変わる」のは、普通のリフォーム屋と変わらないからです。
ただ僕自身も新築そっくりさんの知り合いがいて、マンション材料のおおよその原価がわかるので、出来るだけ詳しくお話しします。
新築そっくりさんの坪単価
平均坪単価の視点から見積もり費用を計算します。まず新築そっくりさんの坪単価は「25万~45万円」です。なぜ坪単価の相場にこれだけの差が生まれるかといえば、そもそも家の間取りやサイズ、内容が全然違うからですね。そして同じ内容でも「単純に部屋数が少なくて、家が広いと坪単価は安くなる」。ただし僕のリフォーム経験からいうと、
そしてマンションは一戸建てに比べて耐震対策が不要なので、よほど高級グレードに上げないと坪単価45万を超えることはない。ただしマンションはある条件があり、坪単価30万を下回ることも現実的に難しいです。そのある条件とは、マンションならでは問題が深く関係しています。
マンションリフォームの注意点
前提としてリフォームは綺麗にするだけではなく「最低限やらなければいけないこと」があります。一戸建てであれば「雨漏れしてるのに、屋根を修理せず部屋の壁紙を新しくする」なんてありませんよね。マンションも同じで、優先的にやるべきことがある。それは、
『インフラ設備の交換』
です。インフラ設備とは「水の給排水管、ガス配管、電気配線」など老朽化すると、漏電や水漏れが発生します。最悪のケースだと「階下への漏水」という事故になり、階下の人へ多大なご迷惑を掛けてしまいます。
もちろん多くの人は、保険に入ってるので金銭的負担はないかもしれませんが、ご近所さんとの関係が悪くなるなど精神的な負担は大きいです。マンションは一戸建てと違い、雨漏れの心配はありませんが、「室内のインフラ設備」を自己責任で修理する必要があります。
そのため、マンションではインフラ設備の修理を優先すべきですが、残念なことに「インフラ設備を新しくする機会は、スケルトンリフォームのときだけ」しかないんですね。一戸建てであれば床下から潜って作業できるのに対して、マンションでは床をめくった状態でないと厳しい。
そのためマンションで全面リフォームするときは、スケルトンが基本になると考えておくべきです。つまり予算を気にして中途半端に全面リフォームするのはありえない。なので坪単価30万以下になることも非現実的いえます(もちろん将来の水漏れリスクを無視できるなら、スケルトンにせず費用を抑えることは可能)
マンションリフォーム費用の見積もり
ここで一度まとめると、
- 一戸建てと違って材料原価が安い
- インフラ設備交換のためスケルトンが前提
という条件から、「坪単価40万」で計算するのが一番良いかなと。つまりマンションの広さ25坪であれば「25坪×40万=1000万」を概算見積もりとして計算できます。では実際に、住友不動産の施工事例と比較しましょう。
住友不動産の見積もり事例で分析する
住友不動産の実際の施工事例で金額を確認します。https://www.sokkuri3.com/mansion/case_detail/986/
この施工事例の広さは「24坪」です。
24坪のマンションを「スケルトンリフォーム」した事例でした。見積もり金額は「900万~1,200万」と書かれています。
逆算して坪単価を計算すると「坪単価37.5万~50万」。施工事例になるレベルの仕様なので金額は高めですね。ですが一般的なグレードでスケルトンリフォームするなら、坪単価40万円は妥当な線。もし坪単価40万を超えるなら、金額比較のため「中小企業にも相見積もりする」のがお薦めです。
マンションの広さ、㎡数・坪数で計算
マンションのサイズに合わせて、坪単価から概算見積もりを計算します。
坪数(㎡) | 20坪(66㎡) | 25坪(83㎡) | 30坪(100㎡) |
---|---|---|---|
坪単価40万 | 800万 | 1,000万 | 1,200万 |
坪単価45万 | 900万 | 1,125万 | 1,350万 |
坪単価50万 | 1,000万 | 1,250万 | 1,500万 |
新築そっくりさんマンション費用のまとめ
最後にまとめると、
- マンションリフォームの最優先はインフラ設備の交換
- そのためスケルトンリフォームが基本仕様
- マンションリフォームは「坪単価は40万」で計算が妥当
そして見積もり費用は仕様グレードで大きく差が出ますが、実際は「どんな担当者に出会い、どんな提案を貰えるか」が金額を左右します。
以上。新築そっくりさんのマンションリフォーム費用でした。ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
1年で70000回以上読まれてる記事です
安くリフォームする方法とは?
ちなみに、見積もりして「はい、お願いします」ではダメで、こっちの予算に合わせてもらう工夫が必要なんですよ。この前提を間違っている人が意外と多いです。
リフォーム業歴12年でわかった、見積もり金額を30%OFFにする方法
リフォームで失敗するパターンとは?
「家が綺麗になって快適、リフォームして良かった!」という声はよく耳にしますが、リフォームで失敗した理由を分析した、という記事が少なかったので書いてみました。
リフォームで失敗するパターンとは?800件以上の工事を経験した結果